
高級食材として知られるいくら。見た目の美しさとプチプチとした食感だけでなく、その栄養価も注目されています。本記事では、いくらそのもののカロリーや糖質の数値、さらには寿司ネタや醤油漬けにした場合の栄養価について解説します。普段の食卓や外食時に、いくらを上手に取り入れるための参考にしてください。
いくらとは?特徴と基本情報
いくらの由来と加工方法
いくらは鮭やますの卵を、網目状の器具で分離後、塩漬けして作られます。分離させずに加工した卵は「すじこ」と呼ばれ、形状や味わいに多少の違いがあります。いくらはそのまま海鮮丼のトッピングとして使用されたり、寿司のネタとしても親しまれており、プチプチした食感が魅力です。
栄養面での注目ポイント
いくらは高タンパク質・高脂質な食品として知られ、魚介類の中ではカロリーが高めです。反面、糖質は非常に低く、糖質制限中の方も安心して楽しむことができます。ただし、塩蔵してあるため塩分量は多めとなっていますので、摂りすぎには注意が必要です。
いくらそのもののカロリーと栄養成分
いくら100gあたりの栄養成分
食品成分表(第7訂)によると、いくら100gあたりの主な栄養成分は次の通りです。
項目 | 数値 |
---|---|
エネルギー | 272kcal |
水分 | 48.4g |
タンパク質 | 32.6g |
脂質 | 15.6g |
炭水化物 | 0.2g |
食物繊維 | 0.0g |
このように、いくらはタンパク質や脂質が豊富で、魚介類の中でもエネルギー量が高い食品となっています。
糖質量はどのくらい?
いくらの糖質は、炭水化物量から食物繊維量を引いたものとして算出されます。
計算式: 糖質=炭水化物量-食物繊維量
いくらの場合は 0.2g - 0.0g = 0.2g
つまり、いくら100gあたりの糖質は非常に少なく、糖質制限中の方でも安心して楽しむことができます。
いくらを寿司として楽しむ場合の栄養価
いくら寿司の基本レシピと材料
いくらのお寿司は、家庭でも外食でも人気のメニューです。一般的なレシピの場合、以下のような材料で1貫のお寿司が作られます。
・いくら:10g
・海苔:0.3g
・すし飯:20g
・わさび:0.2g
・醤油:1g
いくら寿司のカロリー
各材料のカロリーを合算すると、次のようになります。
・いくら:27kcal
・海苔:1kcal
・すし飯:33kcal
・わさび:1kcal
・醤油:1kcal
合計 27 + 1 + 33 + 1 + 1 = 66kcal
1貫あたり約31.5gで66kcalとなります。一般に、寿司1貫は45~65kcal程度ですので、いくら寿司も他の寿司と大きな差はありません。回転寿司などで2貫セットになることが多いですが、2貫で約132kcalと考えれば、食べ過ぎない範囲で楽しめるメニューです。
いくら寿司の糖質量
いくら寿司に使用される材料の糖質量は以下の通りです。
・いくら:0.0g
・海苔:0.0g
・すし飯:7.3g
・わさび:0.1g
・醤油:0.1g
合計 7.5g
すし飯に由来する糖質が大部分を占めるため、1貫あたり約7.5gの糖質が含まれます。回転寿司店などで複数貫を食べる場合、糖質の摂取量が積み重なることを覚えておくと良いでしょう。
いくらの醤油漬けの栄養価
いくら醤油漬けとは?
いくらの醤油漬けは、いくらをさまざまな調味料と合わせて漬け込むことで、風味豊かな一品に仕上がります。自宅で作るレシピも数多く存在し、手軽に高級感を楽しめることから注目されています。
材料と栄養成分の例
以下は、すじこ1腹分のいくら醤油漬け(約366g)の材料例です。
・いくら:250g
・醤油:50g
・酒:30g
・みりん:36g
各材料のカロリーは以下の通りです。
・いくら:680kcal
・醤油:36kcal
・酒:33kcal
・みりん:87kcal
合計 835kcal
100g換算すると、835kcal ÷ 3.66 ≒ 228kcalとなります。大さじ1杯(約17g)の場合は、およそ39kcal前後となります。
いくら醤油漬けの糖質量
同じレシピでの材料別糖質量は以下の通りです。
・いくら:0.5g
・醤油:5.1g
・酒:1.5g
・みりん:15.6g
合計 22.6g
1腹分(366g)全体での糖質量は22.6g、100gあたりにすると6.1g、また大さじ1杯(17g)あたりでは約1.0gとなります。いくらそのものは糖質がほとんどありませんが、みりんなどの調味料によって糖質量が上乗せされる点に注意が必要です。
いくらのカロリーや糖質が健康に及ぼす影響
いくらで太るのか?
いくらは100gあたり272kcalと、魚介類の中では高カロリーに分類されます。しかし、1回の食事で100gすべてを摂取することは一般的ではなく、むしろ大さじ1杯(約17g)で50kcal程度と考えられます。適量を守れば、いくらを食べることで太るリスクは低いと言えます。
また、糖質量は非常に少ないため、糖質制限中の方でも取り入れやすい食品です。ただし、塩蔵されているため塩分過剰摂取には気をつける必要があります。バランスの取れた食事の中で、たんぱく質や健康的な脂質としてのいくらの栄養価を活用しましょう。
他の魚介類との比較
参考までに、以下は一部の魚介類(100gあたり)のカロリー比較表です。
魚介類 | カロリー (kcal) |
---|---|
あじ | 126 |
穴子 | 161 |
いわし | 169 |
うなぎ | 255 |
かつお | 114 |
鮭 | 138 |
さば | 247 |
ひらめ | 126 |
ぶり | 257 |
まぐろ | 108 |
この表からもわかるように、いくらは脂質が多く含まれているため、同じ100gあたりのカロリーは他の魚介類と比べても高めです。しかし、いくらに含まれる脂質は良質なオメガ3脂肪酸が豊富で、健康でバランスの取れた食事の一部として活用されることも期待できます。
調理方法別の味わいと栄養の違い
いくらそのまま vs. 寿司 vs. 醤油漬け
・いくらそのもの:100gあたり272kcal、糖質は0.2gと非常に低いが、塩分は2.3g相当含まれる。
・いくら寿司:すし飯などの追加食材により、1貫あたり66kcal、糖質は主にすし飯の影響で7.5g前後となる。
・いくら醤油漬け:調味料によるカロリーおよび糖質の上昇が見られ、100gあたり228kcal、糖質は6.1gとなる。
用途に合わせて、また食べる量に合わせて選ぶと、日々の食事でのカロリーコントロールや栄養のバランスが取りやすくなります。
調理時の注意点
・塩分量の調整:いくらはもともと塩蔵されているため、さらに醤油漬けにすると塩分が増えます。高血圧や塩分制限が必要な方は、摂取量に注意を払いましょう。
・糖質オーバー:寿司の場合、いくら自体は低糖質ですが、酢飯により糖質摂取量が意外に増えてしまいます。糖質制限中の方は、寿司の量やご飯の糖質量にも気をつける必要があります。
・適量の摂取:どの場合も、一度に大量に摂取するとカロリーや塩分が気になるため、適量を意識したバランスの良い食事を心がけましょう。
まとめ
いくらは、その上品な見た目と独特の食感に加え、栄養面でも高タンパク・適度な脂質を含む、非常に魅力的な食材です。
・いくらそのものは、100gあたり272kcalとカロリーは高めですが、糖質は0.2gと低い。
・いくら寿司は、使用するすし飯による影響で1貫あたり66kcal、糖質は約7.5gと、量を控えればバランスよく楽しめる。
・いくら醤油漬けは、調味料のカロリーや糖質が上乗せされるため、100gあたり228kcal、糖質は約6.1gとなる。
健康面においては、いくらの栄養価は魅力的ですが、特に塩分量が高い点には注意が必要です。また、寿司や醤油漬けなど、調理方法によってカロリーや糖質の数値が変動するため、食べる際の量や他の食材とのバランスを考えた摂取が推奨されます。いくらの高級感と栄養を上手に取り入れ、日々の食生活に彩りを加えてみてはいかがでしょうか。