
立夏を迎え、暦の上では夏がはじまります。日差しが強まり、気温や湿度も徐々に上昇していくこの時期は、体がまだ暑さに慣れておらず、疲れやすくなったり、食欲が落ちたりしがちです。夏本番を元気に過ごすためには、早めに体力を蓄え、熱に負けない体づくりを心がけることが大切です。本記事では、夏に向けた食事のポイントやおすすめレシピ、暑さを克服するための運動や習慣をご紹介します。立夏からはじめる体調管理にぜひお役立てください。
夏に向けた食事のポイント
暑さに負けない体をつくるには、栄養バランスの整った食事が基本です。ただし、冷たいものばかりを摂りすぎると内臓が冷えて消化機能が低下し、かえって疲れがたまります。ここでは、食材や調理法を工夫して、夏を元気に乗り切るためのポイントを3つご提案します。
バランスの良い食事を心がける
主食(炭水化物)、主菜(タンパク質)、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)を組み合わせることで、効率よくエネルギーや栄養素を摂取できます。特に夏は汗で水分やミネラルが失われやすいので、野菜や海藻を多めにとりましょう。
炭水化物はご飯、パン、麺類などを適量。朝食にトーストとフルーツ、昼食に冷やしうどんとおひたし、夕食に麦ごはんと野菜たっぷりの味噌汁など、1日を通してリズムよく摂るのがおすすめです。
また調理法は、炒め物や蒸し料理、煮物など、夏野菜のうまみを活かすものを選ぶとよいでしょう。
タンパク質をしっかり摂取する
タンパク質は筋肉や血液、酵素などの材料となり、疲労回復や体力維持に欠かせません。魚、肉、卵、大豆製品などから質のよいタンパク質を意識的に摂りましょう。
とくに鶏肉や豚肉にはスタミナをつけるビタミンB群が豊富に含まれ、疲労回復効果が期待できます。魚なら青魚に含まれるEPAやDHAが抗炎症作用を発揮し、体調を整える助けになります。
大豆製品は消化吸収も比較的穏やかで胃腸に負担がかかりにくいので、冷ややっこやみそ汁の具材としてもおすすめです。
ミネラルと水分補給を工夫する
暑さで汗をかくと、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも失われます。夏野菜や海藻類、塩昆布などを料理に取り入れて、不足しやすいミネラルを補いましょう。
スポーツドリンクに頼りすぎず、野菜や果物から天然のミネラルをとるほうが胃腸にやさしい場合もあります。ミネラル豊富な牛乳や豆乳を一緒にとると、タンパク質も補給でき一石二鳥です。
また水分補給は1日1.5~2リットルを目安に、こまめに摂ることを心がけましょう。
夏野菜を活用したレシピ例
彩り豊かな夏野菜は、水分やカリウムが多く、体のほてりを抑え、熱中症予防にも役立ちます。ここでは手軽に作れる2つのメニューをご紹介します。
ゴーヤチャンプルー
ゴーヤ、豆腐、卵、豚肉などを炒め合わせた沖縄の定番料理。ビタミンC、カルシウム、タンパク質がバランスよく摂取でき、食欲のない日にも食べやすい一皿です。
苦みが気になる場合は、塩もみや茹でこぼしをしてから調理するとマイルドになります。仕上げにかつお節をふりかけると風味がアップします。
お好みで島とうがらしを加えれば、さらに代謝を促進する効果も期待できます。
夏野菜カレー
トマト、ナス、オクラ、ピーマンなどをたっぷり使ったカレーは、栄養満点でスパイスの効果も相まって体が温まります。脂質を抑えるためにココナッツミルクを控えめにし、トマト缶ベースでさっぱり仕上げると食べやすいでしょう。
スパイスには血行を促進し、疲労物質の排出をサポートする働きがあるため、夏バテ予防におすすめです。発汗が気になる場合は辛さを調整してください。
ご飯の代わりに雑穀米や玄米を合わせると、食物繊維やビタミンB群もプラスできます。
ほかの取り入れやすいメニュー
冷やし中華や素麺に、トマト、きゅうり、茗荷、青じそなどをたっぷりのせた一皿も、夏の定番です。手軽に野菜が摂れ、消化にも良いので疲れた胃腸にやさしいメニューとして活躍します。
また、鮭や鯖の缶詰を活用して、野菜や豆と和えるだけのサラダも時短で栄養バランスが優れています。
果物はスイカ、メロン、ベリー類などをデザートやスムージーにしてとると、天然の水分とビタミンを同時に補給できます。
熱に負けない体づくり
栄養面だけでなく、体を暑さに慣らすこと(暑熱順化)や血行促進、発汗機能を高める習慣を取り入れると、より夏バテしにくい体をつくることができます。
暑熱順化(しょねつじゅんか)
体を徐々に暑さに慣らすことで、効率的に汗をかきやすくなり、体温調節機能が強化されます。
具体的には、やや暑い環境でウォーキングやジョギング、サイクリングなどを「少しきつい」と感じる程度の強度で30分ほど行います。最初は無理せず、徐々に時間や強度を増やしましょう。
室内でも扇風機をかけながらストレッチや簡単な筋トレをするだけでも効果があります。2週間ほど継続すると暑さへの耐性が高まります。
入浴で汗をかく工夫
運動が難しい日は、湯船にゆっくり浸かって汗をかくのも暑熱順化の一つです。ぬるめ(40℃前後)の湯に10~15分程度を目安に入りましょう。
入浴後はベッドでゆったり休み、体が冷めきらないうちに保湿や軽いストレッチを行うと血行が促進されます。
半身浴を取り入れる場合は、胸の下まで湯を張り、下半身の血流を集中的に高めることで疲労回復効果も期待できます。
水分補給のポイント
夏場はこまめな水分補給が欠かせませんが、一度に大量の水を飲むと胃腸に負担がかかる場合があります。常温の水や白湯を小まめに摂るよう心がけましょう。
運動後や外出時は、ミネラル補給を兼ねて牛乳や豆乳を飲むと、タンパク質とカルシウムも同時にとれます。
のどが渇く前に飲む習慣をつけ、スポーツドリンクなどは塩分が気になる場合、薄めて使うとよいでしょう。
まとめ
立夏から夏本番に向けて、栄養バランスの良い食事、夏野菜を活かしたメニュー、暑熱順化や入浴による体づくり、こまめな水分補給を取り入れることで、熱に負けない体をつくることができます。
疲労を感じたときは、青空堂はりきゅうマッサージ院の鍼灸マッサージや筋膜リリース、美容鍼などで血行を促進し、心身のリフレッシュを図るのもおすすめです。
暦のうえでの立夏をきっかけに、日々の生活習慣を見直し、健やかな夏をお過ごしください。